公益社団法人 日本国際生活体験(EIL)

資料請求・お問い合わせ
学校関係者の皆様へ 海外の皆様へ

稲岡 会連(2013年度ドイツ派遣生)

当たり前が当たり前じゃないと気づくことができる経験

留学に行こうと思った時期、きっかけを教えてください

中学3年生のときに、今まで家族にずっと頼って生きてきたことに気づいて、自分自身の力ではどこまでできるのか知りたいと思うようになりました。そこで、高校生のうちに他人と違うことをすれば、みんなと同じことをしていては気付けない様々なことにもっと気づけるのではないかと思い、留学に挑戦することに決めました。兄がEILで留学をしたことがあり、また知り合いにもEILで留学した人がいて、その人に勧めてもらい、EILを選びました。

ドイツを選んだ理由を教えてください

他人とは違うことがしたいという気持ちで挑戦した留学だったので、日本でも勉強している英語以外で自分の武器になる言語を習得したいと思い、非英語圏への留学を考えていました。そんな中、ドイツへは旅行で行ったことがあり、その時期は福島の原発事故の直後で、ドイツでも原発反対のデモが起きていました。そこで、ドイツの政治や社会、国民性について知りたいと思ったことから、ドイツに留学することに決めました。

ドイツ語はどのようにして習得しましたか

出発前は、日本の高校で陸上部に所属していて、練習が忙しく集中してドイツ語の勉強をすることはできませんでした。なので、実際に現地生活が始まってから文法などを基本的な勉強をしました。学校に日本語を勉強しているドイツ人が偶然隣の席で、その子とお互いに言葉を教えあうことでドイツ語が上達しました。また、グリム童話など、自分が読んだことがある本をドイツ語勉強の教材にすることで、楽しみながら勉強していました。

ホストファミリーとの関係について教えてください

私の滞在先は人口700人ぐらいの田舎で、地域にあるホテルで働いているホストマザーと、牧畜農家をしているホストファザーと3人で暮らしていました。ホストマザーは家事のやり方についてとても厳しくて、良かれと思って手伝ってもやり方が違うと怒られ、なんでこんなホストファミリーの家に来てしまったのだろうと思ったこともありました。言語の壁もあり、コミュニケーションも取れなかったため、最初の3、4ヶ月はホストファミリーと打ち解けることができず、それが留学中一番大変なことでした。ですが、コーディネーターが家を訪ねたときに、コーディネーターに仲介してもらい、その不満をホストファミリーに知ってもらえることができました。それ以来は、お互いにしっかりコミュニケーションを取るようになり、ホストとの関係がとても良くなっていきました。自分の部屋が与えられていたこと、大切に思っているからこそ怒ってくれていることなど、実際にはとても恵まれていることに気づいていなかったのだなと今では思います。

学校での授業の様子を教えてください

私は、ドイツ語、英語、数学、地理、宗教、生物、歴史、経済などの授業を取っていました。ドイツ語などの授業は同学年のレベルでは難しかったため、低学年のクラスに変えてもらって、自分のレベルにあった授業を受けられるようにしてもらいました。授業全体として、自分の意見を発言することを求められるのですが、それに慣れていなかったため大変でした。先生から振られたら言えるのですが、自分から積極的に発言するということはなかなかできませんでした。しかし、語学の伸びに応じて、自分に自信がつき、発言もできるようになってきました。また、ワールドカップの期間中、夜にドイツ代表の試合があった日には、先生が宿題を無しにしてくれて、さすがサッカー大国だと思いました。

留学中一番印象に残っていることは何ですか

ドイツ南部のコンスタンツに、隣の席だった仲の良い友達のおばさんが住んでいて、その友達の家族と一緒に1週間ぐらい泊まりに行ったことです。ボーデン湖という世界有数の大きさの湖で泳いだり、近くのマーケットでショッピングをしたり、本当に楽しい時間を過ごすことができました。また、印象に残っているという意味では旅行中に友達とはぐれてしまい迷子になってしまったことも思い出のひとつです(汗)。道もわからないし、友達との連絡手段もなく、2時間ほど迷ったのちになんとか合流できたのでよかったのですが、その時は本当に大変でした。

自分にとって留学はどのような価値があったと思いますか

家族や友達が当たり前にやってくれていることに対して気がついて、感謝できるようになったことです。そして、感謝の気持ちも言葉にして伝えなければ伝わらないということです。ホストファミリーとの関係や、授業中も積極的発言を求められる中で大切なことだと感じました。また、隣の席だったドイツ人の子とはとても仲良くなることができて、お互いに一年間の留学期間だけで終わらせたくない出会いだと感じ、今でも日本とドイツを行き来しています。そのような一生付き合える友達ができたことが私にとって留学で一番価値あるものです。

稲岡 会連
2013年度ドイツ派遣生

熊本県出身。県立熊本高等学校1年時の2013年夏より、EIL高校生交換留学プログラムでドイツバイエルン州に10ヶ月間留学。帰国後1年生に復学。現在、慶應義塾大学法学部法律学科に在学中。