公益社団法人 日本国際生活体験(EIL)

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vol.08.アジラニー 佳代子

留学経験は花。今では自分自身を支える根に

将来は国際機関に入って開発の仕事がしたいと思っていた。母に話をすると、手渡されたのが高校留学のパンフレット。「その仕事なら英語も大事だし、今のうちに海外で色々経験してみたら?」との母の勧めがきっかけとなり、自分で色々調べたり、高校の先生に相談しているうちに絶対に行きたいと思うようになった。
何も知らない、誰も知らない国に飛び込んだことで、自分には何ができて、何ができないのか。自分の長所と短所を発見する機会になった。それを克服したり、磨いたりする素晴らしいチャンスに恵まれたことが一番良かったと思っている。「やりたいことは何でもチャレンジしたら、意外と出来たりするものだな。色々考えていないで一先ず行動しよう」という精神を芽生えさせてくれたのも、高校という大事な時期の留学だったと思う。
学校の授業についていくのは本当に大変だった。どうせなら日本で取れないような授業を取ろうと思い、出された課題に基づいて、授業や課題のリーディング、学校外でのインタビューなどをもとに毎週レポートを書いてくる授業を取ったけれど、何を課題として出されているのかも一切理解できず、インタビューもままならなくて、最初のうちは本当に大変だった。でも毎週必死に書いていたレポートの1つが、1年の終わりに授業のモデルレポートとして選ばれたときには感動したのを覚えている。
留学時代の自分を今振り返ると、もっと色々なことに挑戦できたはずなのに、すごく引っ込み思案だったなと思う。海外に住んでもう10年以上が経ち、引っ込み思案になっている場合じゃないのが日常になったけど、その時と今とのギャップが、私自身の成長だと思っている。現在は留学時代よりもいろんな国籍と文化、価値観を持った同僚や上司と仕事をしている。全然知らなかった国のニーズや文化をいち早く理解してプロジェクトを進めて行かないといけない。そういった国際機関で仕事をするにおいて、多文化コミュニケーション能力はもっとも重要な能力の一つ。その能力を性格形成の大事な思春期に磨くことができたのは、あの一年の留学のお蔭だなと思う。留学は最高の1年になったとしても、ゴールではない。目標を持って挑めばきっと何十年後になっても「あのとき留学してよかった」と思える何かを手に入れることが出来ると思う。

アジラニー 佳代子(Kayoko Ajlani)
1997年イギリス派遣 兵庫県神戸市出身

2004年慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中にフランス•パリ政治学院に留学。2004年パリソルボンヌ大学とパリ第9大学の経営修士(MBA)課程入学。2005年両大学卒業後、ルノー本社に入社し、主に開発途上国での市場戦略に携わる。2011年に退職後、米国コロンビア大学国際関係修士課程に進学。在学中にハイチの国連開発計画(UNDP)でコンサルタントを務める。2013年に卒業後、世界銀行に入行。現在は世界銀行でハイチとベトナムのプロジェクトに携わっている。