公益社団法人 日本国際生活体験(EIL)

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松藤 紬夏(2015年度アメリカ派遣生)

「日本にいては体験できない、実際の体験こそが留学の価値」

留学に興味を持ち始めたきっかけを教えてください

中学校に入って英語の授業が始まってから言語を学ぶことに興味を持つようになり、もともと1ヶ月間などの短期プログラムには参加してみたいと思っていました。中学3年生の10月ごろ、通っていた英会話教室で一緒に習っていた一歳上の友達がEILを通してオーストラリアへ留学するという話を聞き、「身近に長期留学をする人がいるなら私でも行けるかも!」と思ったのが長期留学に行こうと思ったきっかけです。

派遣国を選んだ理由は何ですか?

現地の季節が日本と同じであるため、持って行く荷物を少なくできるという理由から夏出発で英語圏の国が良いと思っていました。そこで、アメリカかカナダを考えていたのですが、私が留学を考えていたその時期のアメリカでは、白人警官が黒人男性を無意味に射殺した事件など、人種に関する問題がよく起きていて、それらがなぜ起きるのか不思議に思うことがありました。それならアメリカに留学して、現地でそれらの問題を学ぶことで自分の国際的な視野を広げたいと思い、アメリカを選びました。

出発前はどのような準備をしましたか?

語学については、現地に行ってまず必要になるのはリスニング力とスピーキング力だと思ったので、その2つを意識して勉強していました。そこで、YouTubeを使ってアメリカのニュースやバラエティーのダイジェストなどの動画を見ていました。また、通っていた英会話教室や学校に英語のALTの先生と喋っていました。あとは、現地での生活に慣れるために、アメリカ人の考え方、表現の仕方、スラングなどについて書かれた本を買って読んでいました。現地に持っていって友達に見せたら、結構的を射ているようで面白がっていました。

ホストファミリーの構成、普段どのように過ごしたか教えてください

私のホストファミリーは、30代前半のファザーとマザー、そして4歳と2歳の男の子(さらに、帰国の2週間前には三男が生まれました!)に囲まれ小さな子どもの多い家庭でした。マザーが教会に行く時や、ファザーは仕事が忙しく家に帰るのが遅い時は、私が子どもの面倒を見ていました。それまでやったことのなかったオムツの取り替えをしたり、兄弟間で起こるおもちゃの取り合いの喧嘩を仲裁したりと大変でしたが、どちらも小さい子どもだったので、そこまで言葉に頼らないでコミュニケーションが取れたのもありとてもいい思い出です。また、それまで妊婦さんと一緒に暮らす経験もしたことがなかったので、留学でそういった経験ができたのも貴重なことだと思います。

ホストファミリーはどのように接してくれましたか?

マザーもファザーも明るく、マザーはロシア出身で18歳のときにアメリカに移住してきた方だったので、アメリカ国外出身という意味で私の気持ちをよくわかってくれました。私のホストファミリーは私をゲスト扱いせず、それまで通りの生活をしていたので、頻繁に外出することはありませんでした。ですが、家族と一緒に家でゴロゴロ過ごす彼らの日常を体験できたのは、本当のアメリカ人の生活を体験できたことでもあると思います。

学校ではどのような授業を取っていましたか?

心理学、代数、生物学、英語、農学、アメリカ史、体育などの授業を取っていました。また2期目のセメスターにはIGNITEという1年生対象の授業を取っていました。学校の活性化のためにできることのアイディアを出して実行して取り組むことで、リーダーシップを養う授業です。なかでも印象に残っているのは、心理学の授業です。心理学の授業はAP(Advanced Placement:高校で履修できる、大学一般教養レベルの授業)レベルのものを取っていたのですが、難しい専門用語を使うので、グーグル翻訳にかけて日本語にしても意味がわからず、留学中で一番大変だったことだと思います。それでもわからないところを友達に聞くことでなんとかついて行きました。

部活には入っていましたか?

部活はバレーボール、ボウリング、ソフトボールをシーズンごとにやっていました。日本の高校ではソフトボール部に入っていたので、アメリカでもソフトボールができたのはいい経験でした。はじめは外野を任されていたのですが、正捕手の子が怪我したことをきっかけに日本で経験があるキャッチャーをやらせてもらえることになりました。アメリカの高校生のソフトボールは硬球で、グローブ越しでも痛いのですが、その時の1球目を受けたときの感触は今でも覚えています。最後の部活お疲れパーティーでは、寄せ書きされたバットをもらったのはとても嬉しかったです。

留学中一番の思い出はなんですか?

私は卒業学年に属していたわけではなかったのですが、卒業式で名前を呼んでもらって卒業証書を舞台で受け取ったことです。それがまるでアメリカのドラマみたいでとても印象に残っています。学校の校長先生は日本語が喋れたため、度々相談にも乗ってくれる心強い存在だったので、その先生から「よく頑張ったね」と声をかけてもらったことがとても印象に残っています。

今振り返ってみて、自分にとって留学はどのような価値があったと思いますか?

留学をして、私は友達の幅が広がっただけではなくて、価値観や世界観が広がったと思います。アメリカでは人種が混在していて、人種で分けてしまうとそこには未だに対立があると感じました。私が、ファーストフード店でクーポンを使って買おうとしたところ、店員が私の前の白人女性には対応していたのに、「君はアジア人だからだめ」という態度で私には使わせてくれませんでした。日本でニュースを聞いているだけでは経験できない、こういった現地での実際の経験こそが留学の価値だと思います。

大学は海外進学されるとのことですが、どういったことを学ぶ予定ですか?

昔は黒人奴隷という制度がアメリカではありましたが、廃止された今でも人種差別が存在する理由など、様々な他人に対する人間の心理や考えについて高校留学を通じて深く考えさせられました。しかし高校での留学は「経験」としてはよかったのですが、深く勉強するには時間が足りませんでした。なので、アメリカの大学に進学して、そのような問題を、アメリカだけでなく、世界各国で少しでも減らしていくため、そして今の子どもたちが大人になったときに、今より住みやすい環境にするために、高校留学の経験を生かして様々なことに挑戦し、勉強したいと考えています。

留学に行くか悩んでいる高校生に対して、メッセージをお願いします。

留学に行くかどうか迷ったときに、「行く」という気持ちの方が大きいなら、とにかく行って、様々な経験をした方がいいと思います。ただ「行きたい」という気持ちだけでは、留学先で困難な場面に遭遇したときに心が折れてしまい、頑張りきれないと思います。なので、自分がなぜ留学に行きたいのか、何を得たいのか、といった、自分の中にある「行きたい」を深掘りした「思い」に自分で気づくことが大事だと思います。

松藤 紬夏
2015年度アメリカ派遣生

大阪府出身。大谷高等学校1年次の2015年夏より、EIL高校生交換留学プログラムでアメリカのワシントン州に10ヶ月留学し、帰国後は2年生に進級。2018年夏Bowling Green State UniversityのInternational Studies進学。